NHK俳句、第一週の年間テーマは「俳句の凝りをほぐします」
今日のテーマは「整理整頓」
司会
柴田英嗣(アンタッチャブル):司会
出演者
堀田季何(俳人):選者
庄司浩平(俳優・モデル)
俳句における「整理整頓」って?
俳句は意味が明確に伝わることが大切!
意味が明確に伝わるためには「言葉の置き方」がきちんとしていること。
いろいろ考えているうちに、「言葉の置き方」がバラバラになってしまいがち。
そこで、言葉を整理整頓して、意味の分かりやすい句にしていきましょう。
俳句における「整理整頓」の3つのポイント
1 三段切れ
三段切れとは
句が 五 七 五 でそれぞれ切れている句
俳句では避けたほうがよいとされている。
春待や/色麩がふたつ/おかめそば
この句の場合、/で三つに切れているため、上五・中七・下五のどれを一番言いたいのか分からない。
解消するためにはふたつのフレーズにすれば良い。
春待や/色麩がふたつのおかめそば
春待や色麩がふたつのおかめそば
小川軽舟
もう一例
電話切る/相手の後に/春惜しむ
惜春や/相手が切って電話切る
惜春や相手が切って電話切る
小川軽舟
三段切れ解消のポイント
①一句の中を一つか二つのフレーズにする。
②語順を変えてもいい
2 語順
アジアめく雨南瓜煮る大阪に
このままでは意味が分かりにくいのですが、語順を変えると
大阪にアジアめく雨南瓜煮る
小川軽舟
と分かりやすくなりました。
語順のポイント
作りながら色々な語順を試す。
では、語順並べ替えクイズです。
泥になる泥に降る雪うつくしや
泥/になる/泥/に/降る/雪/うつくしや
/で切れていますので、意味が分かりやすくなるように並べ替えて、名句を再現してみましょう。
答えは最後!
3 山本山
上から読んでも下から読んでも山本山
山本山とは
上五と下五が名詞で中七がどちらにかかっているか分かりにくい句
水平線永遠に清しき夏の航
この句は一見いい感じですが、「永遠に清しき」が「水平線」にかかるのか、「夏の航」にかかるのか分かりません。両方にかかっているようでお得ではないかと思われますが、俳句の世界では明快にどっちをさしているか言いたいと思います。
ではどうするか?
「清しき」は連体形で「夏」または「夏の航」にかかってしまいます。
そこで「新し」という終止形にします。これで、意味が切れます。
水平線永遠に新し夏の航
小川軽舟
ではもう一例。
アーチ橋真下に見ゆる登山道
真下に見えるのは「アーチ橋」なのか「登山道」なのかわかりません。
どうするか?
字余りを恐れず助詞を入れましょう。
アーチ橋( )真下に見ゆる登山道
①と②それぞれの意味になるように、( )に次の助詞のどれかを入れてみましょう。
【助詞】から・より・に・へ・が・の・や・も
①真下に見えるのが「アーチ橋」
アーチ橋(の)真下に見ゆる登山道
「から」「より」 でもよい。
②真下に見えるのが「登山道」
アーチ橋(を)真下に見ゆる登山道
まとめ
整理整頓のポイント
声に出して読んでみること
俳句を作っていると、ついつい考えすぎて、分かりにくくなってしまいがちです。
言葉の整理整頓を意識して、分かりやすい俳句を心がけましょう。
そういえば、8月28日のプレバト俳句。小中学生の俳句はとても分かりやすい作品ばかりでした。見習いたいですね。→コチラ
最後に、クイズの答えです。
泥に振る雪うつくしや泥になる
小川軽
勉強になりました。