ペナルティ・ヒデ

【出典:X】

7月25日(木)の「プレバト!!」で、ペナルティのヒデさんが登場しました。


ヒデさんは、忘れたころにプレバトに出てきて、いい俳句を詠むんです。


今回は、このヒデさんの俳句で、「素材の良さ」「取り合わせ」について学んでみます。


その俳句とは・・・

空蝉や雷紋消ゆる鉢の底

  • 作者:ペナルティ・ヒデ

  • 得点:70点

  • 評価:才能アリ

  • 順位:第2位

俳句の分析

季語と語句の意味

  • 「空蝉」(うつせみ):夏の季語で、蝉の抜け殻を指します。

  • 「雷紋」(らいもん):ラーメンのどんぶりに描かれている渦巻き状の模様を指します。

雷紋
【出典:X】

俳句の情景

この俳句は、捨てられていたラーメンどんぶりの鉢の底を描写しています。

その鉢の底に空蝉(蝉の抜け殻)が落ちていたという情景です。

空蝉のように中身のない抜け殻と、消えゆく雷紋(どんぶりの模様)を重ね合わせることで、儚さや物事の移ろいやすさを表現しています。


技法と表現

1. 取り合わせ:空蝉とラーメンの鉢

2. 視覚的描写:雷紋が消えているどんぶりの描写。

3. 余韻:「鉢の底」という結びが静けさや寂しさを感じさせる。


評価のポイント

1.  季語「空蝉」を効果的に使ったこと

2. ラーメンという題材から、捨てられたどんぶりに着目したこと


添削

夏井先生による添削では、「消ゆる」を「あせる」に変更することが提案されました。


原句 :空蝉や雷紋消ゆる鉢の底

添削後:空蝉や雷紋あせる鉢の底


この添削により、雷紋が徐々に薄れていく様子がより鮮明に表現されます。


ヒデさんの俳句に学ぼう

オリジナリティのある素材を発見する


この俳句から僕が学んだことは、「捨てられたどんぶり」という素材に着目した点です。


僕も「ラーメン」で俳句を考えたとき、まずは、自分の好きなラーメン屋さんのとんこつラーメンを思い浮かべました。


そのあと、「どんぶり」そして「雷紋」までは連想しました。


しかし、「捨てられたどんぶり」には考えが及びませんでした。


ヒデさんは、「捨てられたどんぶりを見たときに・・・」と言っていました。


つまり、実体験です。やはり、体験をもとにした俳句はリアリティがありますね。


体験をもとにオリジナリティのある素材を発見する。


これは俳句を作るうえで、一つのポイントだと思います。


取り合わせ


この素材に、ヒデさんが、取り合わせた季語は、「空蝉」でした。


蝉の抜け殻です。お題の「ラーメン」と「蝉の抜け殻」、一見何の関係もありませんよね。


でも、「捨てられたどんぶり」と「蝉の抜け殻」・・・


自分の用を終えたもの同士の響きあいを感じますよね。


そして、「捨てられているラーメンどんぶり」のことを「空蝉」と「雷紋消ゆる鉢」と詩的に表現したヒデさん、お見事です。


勉強になりました。


ヒデさん、ありがとうございます。

今回のまとめ

オリジナリティのある素材を発見しよう
伝えたい内容と響きあう季語を選ぼう