usUsWqXP
【出典:X】
NHK俳句(9月1日)

兼題「桃」

初秋の季語 桃の「実」のことを指す。

選者:堀田季何

類想を避けるのは「桃」では難しい。

「甘い」「色が変わりやすい」「桃をむく」「汚れやすい」「香りがいい」「病気の人が食べる」・・・

そういった類想そのものから具体的にしていく、深めていくことが必要。


特選

傷むとは透き通ること桃啜る

滋賀県栗東町 蜘蛛野 澄香


医師去つて臨終の部屋桃匂ふ

神奈川県小田原市 陌間 みどり


桃の皮くの字にむけるろの字にも

埼玉県川口市 糸川 ラッコ


桃剝けば躊躇ひ傷のごときもの

茨城県日立市 小圷 秀樹


鍬胼胝はわれの勲章桃すする

福島県西郷村 黒澤 正行


台無しに剝いて私の桃となり

北海道旭川市 八田 昌代



いかがでしょうか。


類想をいかに独自のものにしていくか、という視点で勉強になりますね。


みなさん、どの句が好きですか。


個人的には


傷むとは透き通ること桃啜る


が好きです。


「傷む」=「透き通る」という表現が、自分になかった、というか生まれそうになかった捉え方なのです。


もっとしなやかな見方ができるようになりたいと思いました。


今週も、勉強になりました。


次回、9月8日の兼題は「虫」です。


ぜひ、一句詠んでみましょう。